挨拶はもっとも基本的なコミュニケーション
挨拶には、「私はそこにあなたがいることを認識していますよ」ということを伝える効果があります。
人は生まれたときから、自分の存在を認識してもらいたくてさまざまな行動を起こします。お互い挨拶することは、「あなたはそこにいますね」ということを認識しあう手段なのです。
人は、自分の存在が相手に受け入れられていると認識するだけで、根底的な安心感がうまれます。
業績がよくない会社や社員のモチベーションが低い会社の職場には、挨拶もせずに黙って仕事をはじめる場面が多く見られ、ギスギスした雰囲気の中で仕事をしているケースが見られます。
顔を合わせた時に、どんな言葉をかけるかを事前に考えておいたり、人によってトーンを変えるなど、さまざまな挨拶に取り組んでみれば、挨拶の持つ力と効果に気づくことでしょう。
挨拶のところでも書きましたが、自分の存在が相手に受け入れられていることへの安心感についてやる気が上がらなかったり気分が暗くなる要因として、「私はここにいなくてもいいんじゃないか」というのがあります。すると、人に対する関わり方に非積極的になり、会話の数が少なくなります。
まず、部下や身近な人を観察し、今までとちょっとした違いや気づいたことについて、声をかけることです。
「今日はいつもより早く書類が上がってきましたね」、「会議に早めにきていたね」、「今日はいつもより張り切っているね」など、観察して気づいた事実を伝えること。これをコーチングのスキルでは承認と言います。別にほめる必要はありません。
ただ、「あなたのことに気づいていますよ」と伝えるだけで、十分にやる気やエネルギーが向上するのです。
まわりの雰囲気を明るくしたいのであれば、まず、あなた自身がご機嫌になること。そのためには、毎日何か1つ、好きなことからはじめましょう。
散歩をする、好きな音楽を聴きながら出勤する、朝会社に着いたらおいしいコーヒーを入れて飲むなど、気分が高まったり、元気ができるようなことを実践しましょう。
気分が高揚すると、自然とコミュニケーションの量が増えます。人の気分を変えることは難しいですが、自分自身の気分を高めるのはあなた次第です。